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夜と霧

夜と霧 新版
夜と霧 新版 ヴィクトール・E・フランクル 池田 香代子

おすすめ平均
stars苦しみの中から生まれた希望
stars生きる意味
stars体験者の「内側から見た」強制収容所
stars人間の奥底に眠っているものが、垣間見えたような気がする
starsふたつの種類の人間

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米バージニア工科大の銃乱射事件で、
「学生を避難させようとして死亡した教授の1人が、ホロコーストを生き延びたユダヤ人だった」
というニュースを見て、昔読んだ「夜と霧」を思い出しました。アウシュビッツ強制収用所にいた、精神分析学者の手記です。

極限状態と言いますが、その究極だと思うんですよ。衛生状態劣悪なところに押しこめられ、粗末な食事で重労働に駆りだされ、いつかはガス室に送られて殺されるわけです。そんな状況に置かれたら、何もかも諦めて無気力になるか、生存本能をむき出しにしてあたりかまわなくなるか、どちらかだと思えるのですが、

この本には、そうした環境下でも、人間らしい思いやりとか尊厳とか、そういうものを無くさなかった人々のことが書いてあります。自分がそうなれる自信はないけれど、そういう人が確かにいて、そういうふうになりえるということは、勇気付けられる話です。

そして亡くなった教授も、そういう人だったのだろうと思います。息子さんは知らせを受けて、
「冷戦中、父は命がけで論文を発表していた。だから、父が犯人に立ち向かったと聞いても驚かなかった」
と話したそうです。ご冥福をお祈りします。

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神様のパズル

神様のパズル
神様のパズル 機本 伸司

角川春樹事務所 2006-05
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おすすめ平均 star
starライトノベル?SF?
star面白い! これぞSF
star少なくとも

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”神様のパズル”を読みました。数年前にハードカバーで出ているのですが、”大幅に加筆訂正”して文庫化されたものだそうです。
カバーイラストはライトノベルみたいですが、これはハードSFですよ。あるいはハードSF青春小説?

大学のゼミで、「宇宙が無から生まれたのであれば、人間も無から宇宙を作れるのか」というテーマでディベートすることになり、気難しい天才少女とチームを組むことになった落ちこぼれの主人公は… というお話。

ディベートで勝つために頭をしぼるうちに、とんでもない新理論にたどりつくというストーリーなので、それを理解するには相対論、量子力学、宇宙論など現代物理学の知識が必要なのですが、そこは大学が舞台なので、ゼミの描写の中で基礎をおさらいしてくれます。親切設計だと言えます。

この人の文章や構成は、決してうまいとは思えないのですね。途中で「この小説、この先大丈夫なのか?」とハラハラするくらいです。でもエンディングは良いんですよ、これが。人によってはピンとこないかもしれませんが、僕はとても好きなのでした。切なくて余韻のある、いいエンディングです。けっこう新しいパターンかと。これがあるので、それ以外のところは許せる気分です。

そういえばこの作品は日記形式です。「学生生活の最後の一年間の日記」というのは美味しい設定だと思いますね。それは気楽な学生の身分から社会に出るための準備期間であり、主人公の不安や焦燥が生々しく伝わってきて、懐かしかったり痛かったりします。

ところでこれ、映画化されるそうなんですけど、大丈夫なのかな? 延々と宇宙論とかの議論をしてるわけですが。どうなっちゃうのか興味があるので、観ることでしょう。
このエンディングは生かしてほしいんですけどね。頼むから、ベタなライトノベル的展開にはしてくれるなよ~。

学研の「科学」

Kagaku_img02 学研の「科学」と「学習」のお世話になった人は多いと思うんですが、最近はあまりメジャーではないみたいで。もしかしてもう無いのかな?と思っていたら、トイザらスで売ってるのを見つけたので、”1年の科学”を買いました。4月号だけに、気合が入っているに違いないと思ったし。

実際、付録は感心しましたよ。”ハムぴか”とかいう名前の、簡易プラネタリウムというか、投影機のようなもので、筐体はアクリル製?でシッカリしていて、2群4枚のレンズ内蔵という本格派です。投影するフィルムが10種類くらい入っていて、星空だったり、海の中のような映像だったり、バラエティーがあります。骨格標本みたいなものもあり、それを人間に投影するという遊び方も紹介されています。

うちの子には大ウケで、「これスゴーイ!!」としきりに感嘆の声を挙げていました。科学教材としては微妙だが、面白いのは確かだし、大人もなかなか楽しめますね。

でも冊子のほうはイマイチか。一つの話題が見開き2ページくらいで、掘り下げに欠けてますね。そもそもページ数がすごく少ない。総カラーでなくてもよいので、もっと充実させて欲しいものです。

まぁ、内山安二氏のマンガが無い時点で僕としては大幅減点なのですが、それは仕方が無いか… 数年前に逝去されたのが惜しまれます。

貧困の終焉

貧困の終焉―2025年までに世界を変える
貧困の終焉―2025年までに世界を変える ジェフリー サックス Jeffrey D. Sachs 鈴木 主税

早川書房 2006-04
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おすすめ平均 star
star貧困根絶へ向けての道をはっきりと指し示す全人類希望の書
starほっとけない、世界の貧しさ
star問題は世界が見て見ぬふりをしていること

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今現在、人類の最大の問題といえば”貧困”でしょう。環境問題も重要かもしれないが、どちらかといえば先の長い、次の世代にかかわる問題ですし。テロ問題もあるけれど、同時テロで3000人が亡くなりましたが、アフリカでは「毎日」1万5千人が貧困の中で死んでいるわけです。近年のエイズ禍や気候変動、経済崩壊等のため、状況は悪化しており、待った無しだといえます。

この本の著者のジェフリー・サックス氏は、世界中の途上国で経済顧問をしてきたという、マクロ経済改革の実践経験がたぶん世界一豊富な人ですが、近年は貧困の問題に、経済学者の立場から取り組んでいます。アフリカ問題といえばU2のボノが有名ですが、実はこの本にはボノが序文を寄せていて、これがなかなかの名文です。こんな感じで。

「ジェフの手にかかると、私たちの首のまわりにかけられた重荷は冒険に変わり、達成可能なチャレンジとなる」

実際この本では、アフリカの置かれた厳しい状況を描き出しつつも、どれも解決可能な問題だということを、自身の経験と理論を積み重ねて、わかりやすくロジカルに説明しています。”極度の貧困を世界から無くす”という、歴史的な偉業を達成チャンスが私たちの世代にはある、というのがこの本のテーマです。

この本は構成や文章も素晴らしいのです。前半は、著者が世界各国で経済上のピンチに陥った国に対して何をしたかという経験談で、歴史上の出来事の内幕を垣間見ているようで、とてもワクワクします。アメリカの政策やIMF(国際通貨基金)に対しては手厳しく批判していて、IMFとケンカするシーンなんか小気味よいですね。

特に興味深いのは、”アフリカがなぜ貧困の罠から抜け出せないのか”という説明です。繰り返し出てくるのですが、「政治が腐敗しているから」「自由主義経済が根付かないから」「そもそも怠け者でモラルが低いから」というような偏見に対して、豊富なデータや歴史上の事実を引いて、丹念に反論しています。

それがどう間違っているのか、また、低開発国が貧困から抜け出して一人立ちするにはどうすればいいのか、については、この本に書いてあります。多くの人に読んでもらいたい本ですね。読み物として面白いことも保証します。

ピアノの森

ピアノの森 1 (1)
ピアノの森 1 (1) 一色 まこと

おすすめ平均
starsお笑いの
stars綺麗な世界観
stars素晴らしいストーリー漫画
starsあくまでも青年マンガとして・・・
starsもっと早く出会っていたかった

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クラシック音楽なんて縁が無いはずの、場末の色街で生まれ育った少年が、その天才的なピアノの才能を開花させていくお話。

音楽モノのマンガって、音を絵には書けませんから、「素晴らしい演奏をした」という描写を、読者にいかに納得させるかがキモでしょう。この作品は、そこが凄いのです。

なぜ凄いのか、その理由は、主人公の一人称視点の描写が少なくて、もっぱら第三者の視点から描かていることにもあるでしょう。第三者は、最初は転校生の雨宮君であり、その後いろんな人が登場しますが、皆、主人公のピアノを聴いて、その人生に影響を受けてしまった人々です。

そして演奏シーンは、その人々を通して描写されます。人々から見た主人公の生きざまと、演奏の様子がシンクロして、描写に説得力を持たせているのでしょう。

ストーリーもいいし、これは名作でしょう。まだ未完ですけどね。

クルマ

フルスペック 1 (1)
フルスペック 1 (1) 関口 太郎

講談社 2005-11-17
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たまにはコミックスの紹介でも。

この”フルスペック”というコミックスは、「子供のころからクルマが大好きだった」人には、共感できるものがあるでしょう。

小学校2年生の時に、廃車になったロードスター(エンジンもない)が納屋にあるのを見つけた主人公たちが、「これを修理して、俺たちだけの車を作ろう!」と誓い、10年後にそれを叶える、というお話。

いろいろハチャメチャな内容ではあるのですが、”本当にこんなことがあったらいいな!”という、夢がありますね。

初めて自分のクルマを持った時のことを、思い出します。「どんな所でも、このクルマと道さえあれば行けるんだ」という、無限の自由を手にしたような感覚。

いまでも、その感覚は失ってないですけどね。休日に、たいていはちょっと買い物に行くくらいなんですが、行き先を決めずにクルマに乗りこんで、さてどうしようかな、と考えながらドライブするのは、僕にとって貴重な時間です。

でも最近は、「子供のころからクルマが大好きだった」人は、減ってる気がしますね。会社の若手連中と話しても、クルマは実用品と見なしている人が多い。他にもっと楽しいことを、たくさん知っているからかもしれませんが、ちょっと残念に思います。クルマは他に比べるもののない、特別な何かだと、僕は思っているんですが。

なんか話が逸れましたが、以上”フルスペック”の紹介でした。ちなみに、リンク先のamazonにある”レビュー”には、ネタバレがあるので読まないほうがいいですよ。(手遅れ?)

飛び出すクリスマス

最近リリカは、デパートのおもちゃのカタログ(クリスマス用)をウットリとながめつつ、欲しいものにマルをつけています。

なんか、いっぱいマルがついてますけどね。インプレッサのラジコンにもマルがついているので、「これ欲しいの?」と聞いたところ、「あ、それはパパ用」だそうで。パパにはサンタさんは来ないと思われますが。

でも、もうリリカへのクリスマスプレゼントは買ってあるのだよ。これ↓

The Night Before Christmas: A Pop-Up (Classic Collectible Pop-Up)
0689838999 Robert Sabuda Clement Clarke Moore

おすすめ平均
starsおすすめ!!是非 手にとって見てください!
stars白い!
starsクリスマスに
stars本末転倒だけど、イイ!
stars次のクリスマスに是非

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サブダという作家による”飛び出す絵本”です。TV番組の、”本屋さんが薦める、クリスマスに贈る本”とかいうコーナーで紹介されていたのですが、実際、ただの飛び出す絵本ではなく、

これが、どうやって折りたたまれて入っているのか!?

と不思議に思えるほどの、ものすごい飛び出しかたをします。"紙の魔術師”と言われているそうで。しかも、デザインや色使いがとても良い。これはぜひ、リリカに見せてやりたいと思ったのでした。

本当は、自分が見たいんですけどね。サンタにお願いしたところで、思い通りにはならないんだよ~ >リリカ

(追記)

サブダ作品の中身を見てみたい、という方はこちらのサイトへ。”不思議の国のアリス”の紹介があります。これもスゲェ…

メディア買収の野望

メディア買収の野望〈上〉
4102161198 ジェフリー アーチャー Jeffrey Archer 永井 淳

おすすめ平均
starsベスト!
stars原題は『The Fourth Estate 』です。
stars見出しの書き方・喧嘩の仕方
stars時代背景も面白いですよ
starsアーチャー得意のサクセスストーリー

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最近流行の、メディア買収ですが、このストーリーに比べれば、かわいいものかもしれません。

これ、ジェフリー・アーチャー得意の ”二人の対照的な人物を、生い立ちから交互に描き、やがて二人の人生が交錯してライバルになる”、という構成なのですが、通常と違うのは、二人の主人公に明確なモデルがいることです。そのモデルとは、メディア王 ルパート・マードックと、新聞王 ロバート・マクスウェル であり、この二人に比べれば、三木谷だのホリエモンだのなんてねぇ。

アーチャーによれば、内容の8割は事実に基づくということで、だとすれば、なんともスゲー話ですよ、これは。マードックとマクスウェルのライバル関係については、少しは知っていましたが、これほど個人的な感情にかられて、競争していたとは思いませんでした。でも、そうでもないと、あれほど異常な買収合戦にはならないのでしょう。

あちらがこう出れば、こちらはこう、という応酬が何手も繰り広げられて、手に汗にぎる迫力があります。本当に、こんなことがあったのかなぁ!

サクセスストーリーではあるものの、この2人は、人を平気で騙したり裏切ったりする人物として描かれています。会社を大きくするためであれば何でもやると。だから、凄いとは思うけど、僕はこういう風には生きられないですね。人を陥れてまで、金持ちにならなくてもいいや。

裏歴史

QED 式の密室
4062750260 高田 崇史

おすすめ平均
stars式神とは何ぞや?

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ディアスポラはヘビーな作品で、読むのに1週間ほどかかったので、次は軽い本を、と思って手に取ったのがこれです。

実際、薄いので、一日で(行き帰りの電車の中だけで)読み終えてしまったのですが、内容はなかなか歯ごたえがありました。

”陰陽師の末裔”の殺人事件ということで、安部清明とか式神とか、オカルト用語が飛び交い、このままオカルトで行くのか、と思わせるのですが、最後は「歴史の謎解き」的な内容になります。

肝心の殺人事件はオマケみたいなもので、この「歴史の謎解き」部分が、この本の本題ですね。安部清明の伝説は本当なのか。式神は実在したのか。たたら場を追われた人々と「鬼」との関係とは…

これにあることが、すべて本当とは思わないけれど、筋道は通っていて、非常に興味深いです。平安時代の歴史といえば、学校で習ったことくらいしか知らないのですが、それはもっぱら”時の権力者から見た歴史”であり、その裏側には別の歴史があるのかもしれません。関連書を読んでみようという気になりました。

ディアスポラを読了

ディアスポラ
4150115311 グレッグ・イーガン 山岸 真

おすすめ平均
stars宇宙論的なオデッセイ
stars王様は裸だ!
stars期待はずれ
stars21世紀の火星年代記(ただし超ハード)
stars万人にはオススメできない

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イーガンの新作ということで、おもいっきり期待して読みましたが、裏切られませんでした。”超ハードSF”の触れ込みどおり、正直わからんところもありますが、わかる範囲だけでも圧倒的です。

たくさんあるネタのうち、軽いやつを一つだけバラしますと。

”コズチ理論”という(架空の)理論に基けば、ワームホールを使って超光速で恒星間旅行できるはずだということで、それを実証するために、太陽系くらいのスケールの加速器を作る話があります。その設計と建造には300年かかったんですが、すでに意識をソフトウェア化して、ハードウエア上で走らせている人類にとっては、何でもありません。

で、ついに完成して、みんなでカウントダウンとかしちゃうのですが、ワームホールの一方から入ったガンマ線が、もう一方から出てこない。なぜだ!? ワームホールの形成に失敗したのか?

実は、ワームホールはちゃんと出来ていて、ガンマ線はちゃんと、ワームホールを通り抜けていました。ただ、通り抜けるのに、現実の距離と同じだけの時間がかかっていた。つまり、ワームホールは近道ではなかったと。

これはコズチ理論が誤っていたということなのか、それとも? というあたりから、また別の話につながって行きます。

それにしても、これは現代的なSFでありながら、テーマとしてはむしろ古典的です。発明発見テーマであり、ファーストコンタクト・テーマですから。なので、独自理論の説明部分を適当に流して読めば、むしろ読みやすい作品かもしれません。

これは間違いなく、現代の最高峰のSF作品ですから、ぜひ多くの人に読んで欲しいですね。イーガンを読めば、モノの見方が変わりますって。

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